ドラマ「嫌われる勇気」に出てくるアドラー心理学について詳しく紹介していきます。提唱した本人・アドラーについても触れていきます。

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ドラマ「嫌われる勇気」が理解不能?

 

ドラマ「嫌われる勇気」の放送がスタート。どうやら批判も多いドラマのようですね。批判される理由はいくつかあるみたいです。

 

色々な批判の中でも印象的なのが「難しい」という言葉。ドラマの感想で「難しい」って言葉あまりないですよね。しかもドラマ「嫌われる勇気」の場合は、推理サスペンスとしての難しさではなく、「アドラー心理学が良くわからない」という意味で使われているようです。

 

 

ドラマ「嫌われる勇気」はミリオンセラーのビジネス書をドラマ化した作品です。原作は小説ではなく、アドラー心理学の解説書。ドラマ版では、刑事ドラマという形をとってアドラー心理学を解説していきます。

 

ドラマの中では、椎名桔平が解説役で登場。テロップ的にいろいろな言葉が出てくるのが印象的ですね。「承認欲求」「ナチュラルボーンアドラー」など難しそうな言葉が出てきます。

 

椎名桔平さんが説明してくれますが、正直あまり頭に入ってきません。やっぱりなんだかよくわからない。それがドラマの評判を落とす要因になっているようですね。ちなみに原作ファンからも批判の声が飛んでいます。

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原作ファンからも苦言

原作は100万部を超えるベストセラー。読んでいる人もかなりの数います。ちなみに私もその一人。(当時の流行に乗って読みましたw)。原作を読んでいる読者にとってもドラマ「嫌われる勇気」の評判は良くないようです。原作を読んでアドラー心理学が頭に入っている人の感想を紹介します。

 

アドラー心理学を誤解させるような内容でした。残念です。

(引用:http://tv.yahoo.co.jp/review/353550/)

 

ナチュラルボーンアドラーとして、アドラー心理学を体現するドラマの主人公・庵堂蘭子(香里奈)。蘭子の行動は全てアドラー心理学に沿って動いているという設定。この主人公が、アドラー心理学を誤解させる大きな要因でした。

 

蘭子は周囲の人間に全く媚びません。媚びないのはいいですが、かなり自己中に見える。「会議に出ない」「言いたいことを言う」「相棒を無視する」などなど、やりたい放題。現実にいたらかなり迷惑な人物ですよね。

 

主人公ながら印象は最悪。主人公についていけず、1話でリタイヤする人も多くいるようです。問題なのは、「主人公の行動=アドラー心理学」という設定になっていること。主人公の印象が悪くなるにつれて、アドラー心理学の印象も悪くなります。誤解も増えます。

 

「アドラー心理学は、自分勝手に好き放題やることなんだ」

 

説明不足で、アドラー心理学を上記のような印象を持つ人は少なくありません。(実は間違った理解ともいえないのですが・・・)

 

ドラマ「嫌われる勇気」ではアドラー心理学が最大のテーマ。これを理解しないと面白くドラマを見ることはできません。そこで、アドラー心理学を分かりやすく3行でまとめてみました。

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アドラー心理学 3行まとめ

 

 

ドラマ「嫌われる勇気」のテーマであり、批判される最大の要因が、アドラー心理学。これが理解できればドラマ「嫌われる勇気」はもっと面白くなるはずです。

 

原作でもドラマでも難しい言葉が並ぶので、余計分かりにくいですよね。そこでアドラー心理学を3行でまとめてみました。

 

【アドラー心理学 3行まとめ】

  • 承認欲求が人生最大の喜びになってはいけない
  • 自分のために自分の人生を生きるべき
  • 自分が変われば、世界は変わる

 

アドラー心理学を3行にするとこんな感じ。一言でいうと、「人に嫌われることを恐れてばかりいては、人生を楽しめない」ということ。ドラマのシーンと合わせて詳しく説明していきますね。

①承認欲求が人生最大の喜び

承認欲求とは、人に認めてもらいたい気持ちのこと。「先生に褒められたい」「社会的に認められたい」「否定されたくない」などなど、人間だれしも人に認めてもらえるとうれしいですよね。反対に否定されるとすごくムカつく。

 

承認欲求は誰にでもある感情です。ドラマ「嫌われる勇気」の中では、主婦の中のボス・石田ひかりさんが承認欲求の塊として出てきました。「服をほめてほしい」「誰かに認めてもらいたい」「悲劇のヒロインとして目立ちたい」などなど、数々の承認欲求を出していました。

 

印象的だったのが、石田ひかりさんがブランドの服を自慢するシーン。主婦たちは「すごーい」とほめている中、蘭子(香里奈)だけは完全否定してましたよね。

 

アドラー心理学を体現する蘭子に否定させることで、アドラー心理学を分かりやすく表現していたんですね。

②自分のために人生を生きる

他人に認められるために生きていては、自分の人生を生きているとは言えない。自分の人生は、自分のために生きるべきだ。それがアドラー心理学の考え方です。

 

ドラマ「嫌われる勇気」の1話では、気弱な主婦がこの部分を表現していましたね。流されて集まりに入ってしまい、蘭子に相談していた主婦です。「まずいものをおいしいと言う」「みんなが買うから、自分も買う」など、かなり周りに流されていましたよね。

 

蘭子と出会い、考え方が変わったその主婦は、最終的に「おいしくない!」と叫んでいましたw。アドラー心理学を自ら体現したわけです。

③自分が変われば、世界は変わる

他人に認められるばかりの「他人のための人生」から、自分のために生きる「自分のための人生」に。視点を変えれば世界は180度変わる。というのがアドラー心理学の考え方。

 

ドラマ「嫌われる勇気」では、ここでも1話の気弱な主婦が体現していました。蘭子に出会うまでは、無理して飲んでいたコンブチャ。最終的には「おいしくない」と発言。「他人のための人生」から「自分のための人生」にチェンジしているようでした。

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原作「嫌われる勇気」って?

 

ドラマ「嫌われる」の原作は、100万部を超える大ベストセラー。ドラマ化の影響でもしかしたらダブルミリオンなんてことになるかもしれません。

 

ドラマ「嫌われる勇気」では、原作を大きく改変しています。刑事ドラマという設定もドラマオリジナル。原作を知っている人にとってはもはや別物。原作「嫌われる勇気」とはどんなものなのでしょうか。

 

簡単にざっとまとめていきます。

アドラーってだれ?

1800年代から1900年代にかけて活躍したオーストリア出身の精神科医です。アドラーの肩書は多く、精神科医のほかに心理学者、社会理論化などもあります。有名な精神学者・フロイトとも親交がありました。フロイトが提唱する心理学とは別方向に進み、アドラー心理学を創設させました。

 

「嫌われる勇気」は、アドラーの提唱したアドラー心理学を分かりやすく解説したビジネス書です。

原作は刑事ドラマではない

原作「嫌われる勇気」はアドラー心理学の解説書です。ビジネス書として本棚に並んでいます。内容は物語仕立てになってはいますが、刑事ドラマではありません。

 

原作では、悩める青年と哲学者の対談形式で話は進みます。青年の悩みを哲学者がアドラー心理学を使って解決に導いていくというもの。ビジネス書では問題ありませんが、このままドラマにするとかなり地味。そういうわけで、刑事ドラマに仕立てているんですね。

 

原作の内容を引用します。

 

本書は、フロイト、ユングと並び「心理学の三大巨頭」と称される、アルフレッド・アドラーの思想(アドラー心理学)を、「青年と哲人の対話篇」という物語形式を用いてまとめた一冊です。

欧米で絶大な支持を誇るアドラー心理学は、「どうすれば人は幸せに生きることができるか」という哲学的な問いに、きわめてシンプルかつ具体的な“答え”を提示します。

この世界のひとつの真理とも言うべき、アドラーの思想を知って、あなたのこれからの人生はどう変わるのか?もしくは、なにも変わらないのか…。さあ、青年と共に「扉」の先へと進みましょう―。

(引用:https://www.amazon.co.jp/dp/B00H7RACY8)

原作の評価は真っ二つ

原作「嫌われる勇気」はベストセラーだけあって、評価はかなり高いです。アマゾンレビューは、5点満点中4.3点。ここまで評価の高い本も珍しいです。しかし、中にはもちろん否定的な意見もあります。

 

アドラー心理学を認めつつも「受け入れられない」という声が多いのも印象的。かなり冷静に否定する声が多いんです。

肯定的なレビュー

肯定的なレビューの中には「人生が変わった」というビジネス書としては最上級の誉め言葉で肯定しているものも少なくありません。アドラー心理学の「自分が変われば世界が変わる」という点を実現している人もいるようですね。

 

「取り扱い注意」「鬱にはおすすめしない」など、人を選ぶ本だという声があるのも印象的。

 

・自分を事実上コントロールしてきた価値観を根本から揺さぶる本

・解釈には気をつける必要あり。子育てにも良い。

・人生が変わる。

・コペルニクス的転回

(引用:https://www.amazon.co.jp/dp/B00H7RACY8)

批判的なレビュー

最低評価のレビューをいくつか紹介します。印象的なのは、アドラー心理学を正論と認めつつも「受け入れることができない」という声。

 

レビューの中には「読む人を選ぶ本」という言葉がいくつもあります。レビューの内容を見ていると、納得できます。読む人によっては「人生最高の良書」になる場合もあれば、「読んではいけない最悪な本」となる場合もあるようです。

 

批判的な内容なのに、感情的に批評しているのではなく、どれも冷静に批評しているのが説得力があります。

 

・本当に辛い人には本当の意味で劇薬

・人をポジティブにさせるための「説得」にすぎない

・残酷な心理学

・まったく共感できない

・トラウマの人は決して読んではいけない本

(引用:https://www.amazon.co.jp/dp/B00H7RACY8)
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私の感想

ドラマ「嫌われる勇気」のアドラー心理学について書いてきました。おさらいすると、アドラー心理学は下記3行にまとめられます。

 

【アドラー心理学 3行まとめ】

  • 承認欲求が人生最大の喜びになってはいけない
  • 自分のために自分の人生を生きるべき
  • 自分が変われば、世界は変わる

 

最後に私の思ったことを書きます。「嫌われる勇気」がドラマ化されると聞いて一番最初に思ったのは「ドラマ化して大丈夫なの?」でした。

 

原作「嫌われる勇気」のレビューの中の言葉を借りるならアドラー心理学は「劇薬」なんだと思います。刺激が強すぎるので、人によっては「人格が全否定された」と思う人もいるはず。まさに取り扱い注意。

 

公共性の高いテレビドラマで放送されれば、批判が多くなるのは当然です。不愉快になる人もいるでしょう。しかも説明不足だから共感できる人もかなり限られてしまう・・・。

 

1月クールのドラマの中では、苦戦を強いられるドラマだといえそうです。

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