大河ドラマ「おんな城主 直虎」の主人公・井伊直虎の着物に注目が集まっています。女性でありながら井伊家の当主となった井伊直虎。その着物には様々な意味が込められていました。衣装を担当したスタッフのコメントと一緒に紹介していきます。

 

「着物の柄の名前は?」「着物の色の意味は?」「父直盛が着せたかった”幻の着物”とは?」などなど。直虎の着物についての疑問を一気に解消していきます。

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「おんな城主直虎」直虎の着物が話題!

 

大河ドラマ「おんな城主 直虎」。女性が主人公の大河ドラマとして注目されています。回を重ねるごとにどんどん面白くなっていきます。特に盛り上がりを見せたのは、第12回「おんな城主 直虎」。次郎法師が名前を井伊直虎に変え、井伊家の城主になった回です。

 

ここで注目されたのは、井伊直虎が来ている着物。なんだか色々な柄があるし、見たことないような不思議な着物で注目を集めたようです。ネットでも、直虎の着物について様々な感想が投稿されました。

 

 

井伊直虎の着物の注目度の高さを表すように、ネットでの口コミの数もすごく多い。ポスターなどで見ていましたが、実際に登場するとまた違った印象を持ちますよね。また着物についていろいろな発見もすることができます。

 

ネットの意見で印象的なのは、「パッチワークとても素敵」という声。直虎の着ている着物はいろいろな柄がパッチワークのように組み合わされています。中々見ない着物ですよね。実は、この「パッチワークのような着物」には深い意味が込められていました。

 

そのほかにも「着物の柄の名前は?」「使っている色の意味は?」など着物に関する疑問を一気に解消していこうと思います。

 

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着物の柄の名前は?色の意味は?

 

大河ドラマ「おんな城主 直虎」の主人公・井伊直虎(柴咲コウ)。井伊家の女性当主として、井伊家を守っていきます。そんな井伊直虎の着ている着物について詳しく紹介していこうと思います。

 

ネットで着物について調べてみたところ、以下の2点について気になっている人が多いようでした。

 

井伊直虎 着物の気になるところ2点
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  • 着物の柄の名前は?
  • 着物の色の意味は?

 

それぞれ詳しく紹介していきますね。「おんな城主 直虎」の着物制作を担当したスタッフのコメントもあわせて紹介。コメントを読んでみると、着物の柄一つとっても色々な意味が込められていることが伝わってきます。

着物の柄の名前は?

大河ドラマ「おんな城主 直虎」で、井伊直虎が着ている着物の柄の名前について調べてみました。直虎の着物には様々な柄が施されていて、まるでパッチワークのようです。一つ一つの柄に名前はついているはずですが、全部調べるのは大変そうなので、断念しました。

 

着物の柄の名前よりも興味深いのは、「着物の柄がパッチワーク」のようになっていること。ここに隠された意味が深い。「なるほどな」と思う内容でした。着物と打掛の柄の中には、本当に様々な柄が入っています。これは井伊家の財政の苦しさを表しているそうです。

着物の柄には、母の愛情が隠されていた

遠江国の小国・井伊谷を治める井伊家。数々の戦でその財政は火の車です。物語の中盤では、お金に苦しむ直虎も描かれます。そんなワケで井伊家の財政は苦しい。そんな苦しい中で着物を作ったのが、直虎の母・千賀(財前直見)。

 

財政の苦しい中でも、わが子に少しでも華やかな着物を着せてあげたかったのでしょう。家の中にある上質な布の切れ端を集めて作ったのが、直虎の着ている着物です。だから色々な柄のあるパッチワークのような、柄の集合体になっているんですね。

 

というワケで、直虎の着物の柄に名前はありません。

 

ちなみに直虎の着る小袖は、おとわ(直虎)と亀之丞(直親)が許嫁になった時に千賀がおとわに渡したもの。細かいところまでこだわって作られているんですね。

 

さらに余談ですが、おとわ(直虎)が出家したときに持たせた法衣も千賀の手作りだそうです。もはや千賀はパッチワークの達人ですよね。

 

そんなこだわり抜いた直虎の着物。衣装を担当したスタッフのこだわりを引用しようと思います。コメントを読むと「なるほど」と思うことばかり。工夫のつまった着物でした。

 

直虎らしさをよりいっそう表現するために、着こなし方や小袖の色柄などにもこだわっています。城主として家臣たちの前に立ったときの打ち掛けは、もっともオフィシャルな場で着るもので、ふだんはもう少し質素な打ち掛けや小袖、袴になります。

(中略)

小袖の柄や配色も左右対称ではなくあえて不均等に配して、ほかの女性たちとはどこか違った印象になるという工夫もしています。

引用:http://www.nhk.or.jp/naotora/special/pickup12/

着物の色の意味は?

大河ドラマ「おんな城主 直虎」。井伊直虎の着物で気になる二つ目のポイントは「着物の色の意味」。このポイントは私も気になっていました。直親(三浦春馬)の着ていた着物と共通した色だなと気になっていたのですが、やはり意図的なものでした。

井伊家ではおなじみの色使い

井伊直虎の着ている着物で印象的なのは、少しくすんだような赤色(えんじ)。実はこの色は直虎や直親だけでなく、井伊家の人々の着物でもよく見る色。井伊家に根付いている色といえそうですね。

 

色はくすんだ赤(えんじ色)など、井伊家の人々の衣装で使われているアースカラーを使った衣装が多くなっています。

引用:http://www.nhk.or.jp/naotora/special/pickup12/

井伊家に馴染んでない小野家の着物の色は?

ちなみに、井伊家でありながら井伊家になじんでいない小野家。その着物の色はえんじ色とは対照的なものでした。小野政次(高橋一生)が着ている着物は、青や黒の色の着物がほとんどでした。

 

直親が死んで、今川寄りの考え方になった政次の着物はより暗い色になっていますね。着物の色で、政次の置かれた立場を表現しているようです。

 

井伊家の中では今川寄りの小野家。父の政直のときから今川家のイメージカラーであるブルー系を採用。政次にも今川を感じさせるサインという意味で、ダークな感じの青や黒を使っています。

引用:http://www.nhk.or.jp/naotora/special/pickup10/

 

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父・直盛が着せたかった着物「辻が花」とは?

 

大河ドラマ「おんな城主 直虎」の主人公・井伊直虎の着物についていろいろと紹介してきました。城主となった直虎の着物が注目されがちですが、もう一つ気になる着物があります。

 

その着物とは直虎の父・直盛(杉本哲太)のある言葉。第9回「桶狭間に死す」の直盛の回想シーン。直盛が娘・直虎について千賀に語った感動的なシーンです。

 

いつかもし世が収まり穏やかになったら 辻が花でも着せてやりたいのう

緋か葡萄色 あ、濃紅も良かろうのう 美しいぞ きっと

引用:「おんな城主 直虎」第9回より

 

結局直盛は、この後に桶狭間で死ぬことになります。娘の晴れ姿を見ることは叶わいません。そんな直盛の言葉の中で気になるのが、「辻が花」という言葉。実はこれ着物(しぼり染めの技法)の名前でした。

「辻が花」は超高級品だった

今となっては幻となった、着物のしぼり染め技法の名前が「辻が花」。辻が花は室町時代から安土桃山時代にかけて現れたようです。「おんな城主 直虎」の時代は戦国時代。辻が花のしぼり技法が一般的になっていたのかもしれません。

 

ウィキペディアによれば、辻が花の着物の特徴は、「精緻な刺繍」「金箔の使用」など、贅の限りを尽くしたような高級品のような扱いみたいです。少なくとも、庶民が簡単に手を出せるものではないようですね。

 

財政の苦しい井伊家でも手を出しにくい着物だったはず。それを知ると、直盛の言葉がさらに感動的に思えてきます。父・直盛と母・千賀、直虎は両親の愛情を一手に受けていたようですね。

 

ちなみに「辻が花」は、江戸時代中期に”友禅”の技術の確立とともにその姿を消します。「辻が花」という名前の由来が分からないことからも、「幻の染物」と呼ばれる理由のようです。

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【おまけ】着物の”しぼり”って何?

大河ドラマ「おんな城主 直虎」の主人公・井伊直虎の着物について紹介してきました。内容を3行でまとめてみようと思います。

 

3行まとめ
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  • 直虎の着物の柄は、井伊家の財政事情が関係していた
  • 着物の色でそれぞれの立場を表現していた
  • 父・直盛が直虎に着せたかったのは”幻の着物”

 

最後に、着物に関する私の最大の疑問を解消して終わろうと思います。これまで「しぼり」と普通に使ってきましたが、正直”しぼり”というものをよく知りません(笑)。というワケで最後に「しぼりとは」について説明してみようと思います。知ってる人にとっては当然の内容となると思いますが、ご了承ください。

 

絞り(しぼり)とは着物の種類の一つ。上で紹介した「辻が花」もしぼりで作られる着物のようです。

 

絞り(しぼり)とは?
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手間と暇をかけた古代から伝わる技法の染めのきもの。

布を糸で括ったり、器具で挟んだりして防染し、染料で染めます。総絞りのきものは、一粒ずつ括っていく細かい作業のため、とても手間がかかります。

引用:http://www.so-bien.com/kimono/gizyutu/sibori.html