ドラマ「増山超能力師事務所」は、続編の作られるベストセラー小説が原作です。今回はそんな原作小説「増山超能力師事務所」について詳しく紹介していこうと思います。

 

原作に寄せられた多くの感想の中から印象的なものも紹介します。感想を読むだけでも「増山超能力師事務所」の面白さが伝わると思います。

増山超能力師事務所の原作情報

2013年7月16日に文芸春秋より単行本発売。2016年5月には文庫版も発売された誉田哲也さんの代表作の一つ。好評につき文芸春秋「オール讀物」にて続編の「増山超能力師大戦争」が連載中です。(2017年1月現在)

 

【原作のチャプター情報】

    1. 初仕事はゴムの味
    2. 忘れがたきは少女の瞳
    3. 愛すべきは男の見栄
    4. 侮れないのは女の勘
    5. 心霊現象は飯のネタ
    6. 面倒くさいのは同姓の嫉妬
    7. 相棒は謎の男
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原作者 誉田哲也はアラサーでニートだった?

ドラマ「増山超能力師事務所」の原作者、誉田哲也さんについて調べていたらものすごい経歴の持ち主でした。ウィキペディアの情報をもとに経歴をまとめてみました。

 

誉田哲也さんは、元々小説家ではなく漫画家をめざしていたそうです。しかし中学校の時に音楽と出会い、ロックバンドを結成。そのまま大学を卒業。定職にはつかず、プロのミュージシャンを目指していたそうです。

 

30歳目前にしてある事件が起こります。アーティスト椎名林檎のデビュー。誉田哲也さんは椎名林檎さんの才能に圧倒されお音楽の道を挫折。その後は格闘技のフリーライターに。しかし収入が安定しない日々。どうせ文章を書くならと小説家を目指すようになります。

 

小説家を目指して数年後にはデビューを果たします。そこからはベストセラーを連発。映像化作品がいくつも生まれました。代表作の一つ「ストロベリーナイト」は100万部を超える大ベストセラーになりました。

 

今でこそベストセラー作家として第一線で活躍されている誉田哲也さんですが、漫画家を目指したり、ロックバンドを目指したりと波乱万丈な人生を歩んでいます。いろいろな道を歩んでき経験が、面白い小説につながっているのかもしれませんね。

原作者 誉田哲也原作の映像化作品まとめ

ドラマ「増山超能力師事務所」は、同名の大ヒット小説が原作。原作者の誉田哲也について少し触れようと思います。小説を読む人なら知っているヒットメーカーです。まずは、代表作を紹介。映像化作品も多く、名前をきいたことがある作品もあるはず。

武士道シックスティーン

剣道に青春をささげる女子高生が主人公の物語。勝利にこだわる香織と、勝敗に頓着しない早苗。対照的な二人の女子高生を中心に物語は進みます。誉田哲也の特徴ともいえるユーモラスな雰囲気たっぷりな青春譚。

 

2009年には月刊アフタヌーン、デラックスマーガレットにて漫画化。2010年には成海璃子と北乃きい主演で映画化。原作も「武士道セブンティーン」「武士道エイティーン」「武士道ジェネレーションと続編が登場し、大人気シリーズに。言わずと知れた誉田哲也の代表作。

ストロベリーナイト

誉田哲也の大人気小説。警察署が舞台の姫川玲子シリーズを原作テレビドラマ化、映画化、漫画化もされた。原作小説は100万部を突破する大ベストセラーとなります。主人公は女警官・姫川玲子。彼女を中心に様々な凶悪事件が巻き起こる。「ストロベリーナイト」はシリーズ第一作。

 

テレビドラマ版「ストロベリーナイト」は、竹内裕子、西島秀俊など豪華キャストでヒットドラマとなりました。好評につき、キャストはそのままで映画も制作されました。

ドルチェ

誉田哲也による連作の短編小説。ストロベリーナイトと共通しているのは、警察が主人公という点。本作では女刑事 魚住久江を主人公にして物語は進みます。「ドルチェ」も2012年にテレビドラマ化。松下由樹、田辺誠一などのキャストが出演しています。

ジウ 警視庁特殊犯捜査係

「ストロベリーナイト」「ドルチェ」に続く誉田哲也の警察小説。女性警察官が主人公という点も共通しています。しかし発刊された時には「新しい警察小説の誕生」として、誉田哲也の創作の幅を広げた作品と言われています。

 

読者からの反響も大きく、2011年に多部未華子、黒木メイサのw主演でテレビドラマ化されました。多部未華子さんは、ドラマ「デカワンコ」に続く刑事役としても注目されました。

ヒトリシズカ

誉田哲也の推理小説。登場人物の視点や時間が交錯しながら進む、独特のスタイルで話題に。小説「ヒトリシズカ」は、6つの物語から構成されます。2008年に発刊され、2012年には全6話で、WOWOWでテレビドラマ化。主人公の伊東静加は女優の夏帆さんが演じました。

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ドラマと原作の違いは?

大ベストセラーを原作にもつドラマ「増山超能力師事務所」。原作ファンも多い本作、気になるのは原作との違いですよね。実は第1話からかなり大きな改変がされるようです。

第一話からかなりの改変!?

ドラマ「増山超能力師事務所」の公式HPのストーリーを参照すると原作との改変が大きくピックアップされています。第一話からドラマオリジナルストーリーが展開されるようです。

 

超能力で人助けしちゃいます…日本超能力師協会が発足し、認定試験に合格した“超能力師”が誕生。
高鍋リサーチに勤める増山圭太郎(ココリコ田中)の仕事は新たな能力者の調査なのだが、高鍋逸雄(鹿賀丈史)が事件絡みの“危険な”能力者の調査を急ぐよう指示しているのに反し、増山は何故か一風変わった“へっぽこな”能力者(浅香航大・中村ゆり・柄本時生)をスカウトしていく。
一体、増山の意図は!?原作にない?エピソードから新ドラマがスタート!

(引用:http://www.ytv.co.jp/masuyama/story/01.html)

 

原作のあるドラマには必ずといっていいほど、原作ファンからの鋭い指摘が入ります。「増山超能力師事務所」と同じクールに放送される「視覚探偵 日暮旅人」でも改変が指摘され、原作ファンから批判されていました。

 

何かしら意図をもって行われる原作からの改変。ドラマ「増山超能力師事務所」の改変は吉と出るのか、それとも凶とでるのでしょうか。

増山超能力師事務所の原作 感想まとめ

超能力師のキャラが素晴らしい

単行本の帯にある通り増山超能力師事務所の6人のキャラとそれぞれの物語。そして、元部下で現在は独立して総勢16名の最大手の超能力師事務所を経営する河原崎晃の物語など、読み応え満載であっという間に読み切ってしまいました。

(引用:アマゾンのカスタマーレビューより抜粋)

つい、ドラマ化されたら演者は誰がいいかな?なんて想像してしまいました。

(引用:アマゾンのカスタマーレビューより抜粋)

超能力を喜劇タッチで料理

とかくシリアスな素材となる超能力をユーモラスに取り上げ、喜劇調の短編で幕を開ける。のだが、キャラクターを掘り下げるうちにだんだんシリアスさが勝ってくる。そして最後は大きな危険要素を抱え込んでしまう。

(引用:アマゾンのカスタマーレビューより抜粋)

超能力超凄い。

全作品かけねなしに、超チヨットいい話で、楽しませてもらいました。

(引用:アマゾンのカスタマーレビューより抜粋)

シリーズ化に期待!

登場人物がそれぞれ面白いので、映像化しても人気が出そうに思います。
(引用:アマゾンのカスタマーレビューより抜粋)

タイトルイメージで

あなどって読み始めましたが、思いがけず面白かったw
ただ、ラストの7章はちょっと腑に落ちない…。オチはそっちか?みたいな。キレイにまとめてはいるけど少々安易。

(引用:アマゾンのカスタマーレビューより抜粋)

河原崎のエッチなところがよかったです

いろいろな人の視点から描かれた連作短編集です。
基本的にはエッチな話が半分くらいでしょうか。女性には受けないかもしれませんが、男性にとってはよくわかる話しであり、描写であります。

一番よかったのは河原崎の登場するところで、二人目の美人相談者と相対するところです。笑えます。気持ちはよくわかります。

ただ、そういうエッチな話ばかりではなく、シリアスな部分も結構あって、次回作につながっていきそうな終わり方をしています。

(引用:アマゾンのカスタマーレビューより抜粋)

特殊能力者の悲哀をコミカルに描く。

かるーく読める誉田作品です。
物語は,非科学的,オカルト的に語られることが多い超能力者が社会的に認知を受け,業界団体による客観的な認定資格制度が造られ,その能力を活かした事業が成り立つ社会を背景として,増山圭太郎以下5名の超能力師と1名の事務職員からなる増山超能力師事務所が舞台となっており,登場人物それぞれを主役にした7話のオムニバス形式となっています。

(引用:アマゾンのカスタマーレビューより抜粋)

やはり上手いなぁ

流行りの超能力者をアメリカンコミック的に大袈裟にせず、このくらいならあるのかもしれない日本の日常に置き換えることで、読み手を引き込む手腕は流石です。これまでもオカルト的、現実離れした設定がありましたが、今作は人情話との塩梅が丁度いい。

今後規模的に広がる展開が予想されますが、グロテスクな方にはならなさそう。
直ぐにドラマや映画化できそうです。

(引用:アマゾンのカスタマーレビューより抜粋)

続編を期待!

スラスラ読めました。魅力的なキャラクター達です。是非続編を!

(引用:アマゾンのカスタマーレビューより抜粋)

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私の感想

ドラマ「増山超能力師事務所」の原作小説の感想を紹介してきました。様々な感想がありますね。中には低評価もあるものの概ねが高評価。レビュー数の多さが人気の高さを物語っています。

 

最後に私の感想を書きたいと思います。「増山超能力師事務所」のあらすじやキャラクターを見ているとコメディ要素が多い印象です。実際感想の多くには「コミカルな小説」「キャラが面白い」という言葉が目立ちます。ドラマ版でも、予告を見る限りコミカル要素を前面にだしてくると予想できます。

 

ただ、私が「増山超能力師事務所」の肝は、シリアスな部分だと思っています。超能力者たちが主人公の本作。超能力者とはいっても能力のほとんどは地味なものばかり。一部強力な能力があるものの、物語の中で規制されています。超能力者は決してヒーロー的扱いではなく、どちらかと言えば差別的扱いをされます。この設定の中に現代の不条理や鬱屈した感情が見え隠れしています。

 

誉田哲也さんの初期作品はホラー作品などシリアスなものが多い。「増山超能力師事務所」の物語の中にも素直に「怖い」と感じる部分があります。コメディ要素を前面に出している本作だからこそシリアスで怖い部分が際立ってみえてくるような気がします。