大河ドラマ「おんな城主 直虎」と「真田丸」の視聴率を比較してみました。メディアでは「真田丸超えた」と言われる「おんな城主 直虎」ですが、実際に比較すると全然低い。真田丸超えてません。実は、深い理由が関係していました。今後の大河ドラマ存続にも関係するほど根深い問題でした。
直虎と真田丸 どっちが視聴率いいの?
出典:「おんな城主 直虎」公式インスタより
大河ドラマ「おんな城主 直虎」。2年前の「花燃ゆ」以来の女性が主人公の大河ドラマです。井上真央さん主演の「花燃ゆ」は歴代大河ドラマの中で最低視聴率をたたき出してしまった作品。そんなワケもあり、同じく女性主人公の「おんな城主 直虎」にも視聴率を不安視する声が多くあります。
「花燃ゆ」で下がった視聴率を、去年の大河ドラマ「真田丸」で復調。視聴者からも「真田丸」を絶賛する声が相次ぎました。放送終了後には「真田丸ロス」が起きるほど。そんなこともあり、「おんな城主 直虎」にかかるプレッシャーは相当な重さに・・・。「おんな城主 直虎」の前評判は散々なものでした。
2017年1月に「おんな城主 直虎」の放送が開始。メディアでは「好スタート!」「真田丸超え」など絶賛の嵐。しかし実際に視聴率を比較してみると、真田丸より低い結果に・・・。実際に見てもらった方が早いと思います。現在までに放送されている分の視聴率を掲載していこうと思います。せっかくなので、「真田丸」の視聴率と比較してみますね。
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■おんな城主 直虎
平均視聴率:15.2%
- 第1回:16.9%
- 第2回:15.5%
- 第3回:14.3%
- 第4回:16.0%
- 第5回:16.0%
- 第6回:14.5%
- 第7回:12.9%
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■真田丸
平均視聴率:16.6%
- 第1回:19.9%
- 第2回:20.1%
- 第3回:18.3%
- 第4回:17.8%
- 第5回:19.0%
- 第6回:16.9%
- 第7回:17.4%
「おんな城主 直虎」の現在までの平均視聴率は15.2%。一方の「真田丸」の平均視聴率(全50回)は、16.6%。「おんな城主 直虎」の方が、3ポイント低い結果になっています。ちなみに、歴代の大河ドラマの視聴率と比較するとワースト6位。(真田丸はワースト8位)。
それでもメディアでは「直虎 好発進!」「真田丸超えた」と報道されています。なぜなのでしょうか。その理由には大きな理由がありました。
直虎の視聴率はホントに好調?
大河ドラマ「おんな城主 直虎」の視聴率が好調だと言われる理由には、「新しい視聴率」が関係しています。視聴率には3種類あります。「リアルタイム視聴率」「タイムシフト視聴率」「総合視聴率」の三つ。「リアルタイム視聴率」は従来の視聴率。ほか二つは最近できた視聴率のようです。
簡単に説明すると、「タイムシフト視聴率」とは、スマホやタブレットなどでの視聴も考慮に入れた新しい集計方法。「総合視聴率」とは、「リアルタイム視聴率」と「タイムシフト視聴率」の二つを合算したものだそうです。
なんだかややこしいですが、これらの新しい視聴率で見ると「おんな城主 直虎」は好調なんだそうです。総合視聴率で比較したとき、「おんな城主 直虎」の初回が、「真田丸」の最終回に勝っていたとのこと。ここから「好調スタート」「真田丸超えた」という報道につながったようですね。
これが果たして本当に「真田丸を超えた」と言えるのかは不明。いろいろと調べてみると、「おんな城主 直虎」と「真田丸」には大きな違いがありました。視聴層がかなり違ってきているようなんです。その影響もあって、視聴率にも変化が出ているようです。
20~30代女性から圧倒的支持
大河ドラマ「おんな城主 直虎」では、女性の視聴者がかなり多い。特にF1層と呼ばれる20~34歳の女性からの支持が厚い。「真田丸」で一番支持のなかった層です。若い女性が「おんな城主 直虎」をよく見ているようですね。
逆に「真田丸」では、男性の支持率が高い。特に20~34歳の若い男性からの支持が高い。これは三谷幸喜脚本作品という影響が強いですよね。また堺雅人主演ということで35~49歳の女性の支持もがっちり掴んでいるところも評価されている点。
「おんな城主 直虎」と「真田丸」では視聴者の客層が全然違うみたいです。そのため、テレビではなくスマホで見る層が増え、視聴率が低下したみたいです。逆にスマホ視聴を考慮した「タイムシフト視聴」が上がっているんだと思います。
子役起用に賛否両論
大河ドラマ「おんな城主 直虎」は、いくつか型破りな手法をとっています。その中でも一番議論を呼んだのが子役の起用。単純な起用だけでなく、放送開始から1ヶ月は子役で通しました。子役からスタートする大河ドラマは珍しくありません。しかし、1ヶ月間も子役でいくのはかなり異例。
「子役主演で1ヶ月」に関しては、ネットでも賛否両論が飛び交いました。
おんな城主直虎をようやく第一話第二話と視聴。なんなんだ、あの子役たちは。泣けるじゃないか。おてんばおとわ、ひ弱なかわいい亀。賢い鶴。自分の立場をわきまえながら精一杯生きている子どもたち。泣けるじゃないか。
— あきべぇ (@cosmosjp) 2017年2月13日
最近ハマっているドラマ「大河ドラマ おんな城主 直虎」の子役の3人が素敵すぎて、他のドラマの子役にも目がいくようになったのです??
— 寺島あやのん (@ayanon_teracy) 2017年2月13日
やっと直虎見始めたけど面白い!!
子役がひたすら可愛い!!!— —–キリトリ—– (@mafureol) 2017年2月13日
おんな城主直虎、子役から始まるのか。ポスタービジュアルになってからは面白そうだけど、それまでが不安。
— satoco (@satorythm) 2016年12月31日
初回放送前は、不安に思う声が大多数でしたね。主演の柴咲コウさんは1ヶ月でないわけなので当然の不安だと思います。しかし放送が開始されると子役を絶賛する声の方が目立つようになりました。逆に子役時代が終わることに不安に思う人がいるほど。子役の起用は概ね成功したといえそうですね。
歴代大河の最高視聴率は?
大河ドラマ「おんな城主 直虎」と「真田丸」の視聴率について書いてきました。内容を3行でまとめようと思います。
- 「おんな城主 直虎」は「真田丸」新しい視聴率で超えてる
- 「おんな城主 直虎」と「真田丸」は視聴者が違う
- 「おんな城主 直虎」の今後が楽しみ
2017年の大河ドラマ「おんな城主 直虎」。冒頭でも書いたように、視聴率は歴代大河ドラマの中でワースト6位。好評だった「真田丸」でさえワースト8位です。十数年前には、20%超えは当たり前。40%近い大河ドラマまでありました。正直今後、視聴率が40%に届くことはないと思っています。単純に物語の面白さの問題ではなく、視聴形態の変化が影響しています。
最近ではテレビを見る人が少なくなり、スマホやタブレットに時間を使うことが多いですよね。大河ドラマもスマホで見る人も多くなりました。だから新しい視聴率の形が出てきたわけです。視聴率比較もあまり意味がなくなってくるかもしれませんね。
最後に歴代大河ドラマの視聴率ランキングを作ってみました。ベスト5と、ワースト5を掲載します。
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- 「独眼竜正宗」(1987)
平均視聴率:39.7% - 「武田信玄」(1988)
平均視聴率:39.2% - 「春日局」(1989)
平均視聴率:32.4% - 「赤穂浪士」(1964)
平均視聴率:31.9% - 「おんな太閤記」(1981)
平均視聴率:31.8%
■視聴率ワースト5
- 「平清盛」(2012)
平均視聴率:12.0% - 「花燃ゆ」(2015)
平均視聴率:12.0% - 「花の乱」(1994)
平均視聴率:14.1% - 「竜馬がゆく」(1968)
平均視聴率:14.5% - 「八重の桜」(2013)
平均視聴率:14.6%
歴代の視聴率で一番高い作品は1987年の「独眼竜正宗」。主演は渡辺謙さん。改めて渡辺謙さんのすごさを実感しますね。反対に一番視聴率が低い作品は、井上真央さん主演の「花燃ゆ」(2015)と、松山ケンイチさん主演の「平清盛」(2012)。同率でワーストです。どちらも最近の作品ですね。やはりスマホの流れがきているようです。