大河ドラマ「おんな城主 直虎」。キーワードとして出てくるのが「竜宮小僧」。1話から繰り返し「竜宮小僧」の言葉が出てきます。中には不自然な流れで「竜宮小僧」の話が出てくることもあります。なぜここまで”くどく”「竜宮小僧」が語られるのか。

 

その理由は、井伊直虎の人生に深く関係していました。理由がかなり切ない。井伊直虎と竜宮小僧の間には切っても切れない関係がありました。

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「おんな城主 直虎」竜宮小僧が”くどい”と非難殺到

 

大河ドラマ「おんな城主 直虎」で何度も”くどい”くらい出てくる言葉があります。それは「竜宮小僧」。「竜宮小僧になりたい」「竜宮小僧になれる」「竜宮小僧じゃ」などなど。事あるごとに竜宮小僧という言葉が飛び出します。「おんな城主 直虎」10話のタイトルは「走れ竜宮小僧」です。

 

ネットでは「くどい」と言われてしまっています。恐らく物語の最後まで「竜宮小僧」の単語は出続けます。なぜここまで「竜宮小僧」が出てくるのでしょうか。その理由を調べてみたら、すごく切ない理由に辿りつきました。

 

井伊直虎が「私は竜宮小僧だ」と言い続ける理由を紹介していこうと思います。竜宮小僧には、かなり深い意味が込められているようでした。

 

 

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竜宮小僧とは?

 

大河ドラマ「おんな城主 直虎」のキーワードとして何度も出てくる「竜宮小僧」。”くどい”とまで言われるくらい出てきますね。果たしてこの竜宮小僧とは何なのでしょうか。竜宮小僧は、静岡県浜松市、浜名湖周辺で語り継がれる伝説の妖怪だそうです。

 

妖怪と聞くと、なんだか怖そうなイメージですがめちゃくちゃ優しい。優しすぎてなんだか申し訳なくなってくるほど。そんな憎めない妖怪・竜宮小僧について詳しく紹介していきます。

竜宮小僧「洗濯物取り込みます」

静岡県浜松市には段々になった棚田が有名。竜宮小僧はこの棚田に現れると伝わります。知らぬ間に農作業を手伝ったり、生活の助けになっている存在。竜宮小僧は、小さな子供の姿をしています。人々の「困ったなぁ」を聞くと、竜宮小僧が現れて困っている人々を手助けしていきます。夕暮れには、山の中に帰っていくそうです。

 

竜宮小僧は、深い川の中から現れ、用事が済むとまた川の中へ帰っていきます。このあたりの言い伝えから竜宮小僧のことを「河童」であるとする説もあるようです。水と関係している部分で言うと、たしかに河童に通じるものがありますね。

 

大河ドラマ「おんな城主 直虎」の劇中では、竜宮小僧のことを以下のように説明しています。

 

「人が困っていることを、知らぬ間に手伝ってくれる謎の存在。知らぬ間に田に苗を植えておいてくれたり、洗濯物を取り込んでおいてくれたりする」
引用:http://www.nhk.or.jp/naotora/special/pickup01/

 

困っている人を助けてくれる存在。田植えや、洗濯物まで取り込んでくれる妖怪・竜宮小僧。優しいw。「なんでそこまで?」と言いたくなるほど優しいですよね。主婦の味方の竜宮小僧。そんな竜宮小僧には悲しすぎる弱点がありました。

竜宮小僧 「たで汁だけはやめて」

いつも人々を救ってばかりの竜宮小僧。何でもこなす竜宮小僧ですが、ただ一つだけ苦手なものがありました。それは「たで汁」。竜宮小僧はたで汁を飲むと死んでしまいます。

 

「たで」とは?
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蓼(たで)とは、「柳蓼(やなぎたで)」という植物のこと。茎や葉に苦みがあることが特徴。

 

「蓼食う虫も好き好き」とは?
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蓼(たで)は苦い植物。虫でさえ食べない虫もいることから、人の好みは様々あるという意味で使われる慣用句。

 

一言で言ってしまえば、竜宮小僧は苦いものが苦手なんですね。伝説には、世話になった村人が間違えて「たで汁」を竜宮小僧に与えたところ、そのまま死んでしまった。と残っているそうです。村人も悪気があったワケではなかったようです。まさか「たで汁」を飲んだだけで死ぬとは夢にも思わないですよね。伝説には続きがあります。

 

竜宮小僧の亡骸を葬った村人。なんとそこから水が湧き出し、その水を活用して棚田を作ったと伝えられています。ここでも水が関連していますね。

 

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「おんな城主 直虎」”くどい”ほど出てくる「竜宮小僧」

 

大河ドラマ「おんな城主 直虎」の中に何度も出てくる「竜宮小僧」。物語にどんな風に登場し、どのように定着していったのか。その流れを追ってみようと思います。

南渓和尚から竜宮小僧の話をきく

「おんな城主 直虎」で最初に竜宮小僧の話が出てきたのは、第1話。おとわ(直虎)の周りでは不思議なことが起こります。溺れたおとわ(直虎)を助けてくれたり、馬の世話もしてくれる。そんな不思議な出来事を南渓和尚に話します。そこで出てきたのが、「竜宮小僧」。

 

■南渓和尚
「それは 竜宮小僧という奴じゃ」

 

竜宮小僧の話を聞いたおとわ(直虎)は、亀之丞と鶴吉を連れて竜宮小僧を探しに行きます。ここから”くどい”と言われるほど竜宮小僧の話は出てきます。

亀之丞のために竜宮小僧になると約束

おとわ(直虎)が、自分が竜宮小僧になると決意したのは、幼馴染で許嫁の亀之丞のためでした。父親の罪で井伊谷を離れることになった亀之丞。病弱な亀之丞を見ていたおとわ(直虎)はある決意をします。

 

■おとわ(直虎)
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「われは亀の竜宮小僧になる」

 

ここからおとわ(直虎)がしきりに「竜宮小僧」と言うようになります。事あるごとに「竜宮小僧」「竜宮小僧」と”くどい”までに発言を繰り返します。

僧として竜宮小僧になる

「おんな城主 直虎」この時点でもう”くどい”くらい「竜宮小僧」の話が出ていますが、まだまだとどまるところを知りません。「おんな城主 直虎」4話で、おとわ(直虎)はある決意をします。

 

龍潭寺に出家をすることになったおとわ(直虎)。新しい環境で中々上手くいかない日々を過ごします。亀之丞のために竜宮小僧になるという約束も果たせないかもしれないと思い始めます。一旦くじけそうになるおとわ(直虎)でしたが、鶴丸と南渓和尚のアドバイスで、竜宮小僧になることを再決心。

 

■鶴丸
「竜宮小僧はできるのではないか?」
「妻とならずとも 僧として竜宮小僧をすればどうじゃ」

 

■南渓和尚
「竜宮小僧になりたければ 竜宮小僧のようにふるまえばよいのではないか?」

 

二人のアドバイスを聞いたおとわ(直虎)は、早速実行に移します。井伊谷の村人の困りごとを聞いて回ります。そうすることで、おとわ(直虎)と井伊谷の村人とのつながりが深まりました。おとわ(直虎)は竜宮小僧として生きることになります。

竜宮小僧の歌が泣ける

 

大河ドラマ「おんな城主 直虎」の物語の中では、”くどい”と批判されがちな竜宮小僧。そんな竜宮小僧をイメージした曲があります。大河ドラマ「おんな城主 直虎」のサントラCDに収録されている「竜宮小僧のうた」です。この曲がめちゃくちゃ泣けると話題です。

 

 

「竜宮小僧のうた」相当話題になっているので、私も気になって聞いてみました。たしかに泣ける。子供のハミングで始まる静かな曲です。なんだかゲーム音楽を想像させるような壮大さがあります。と思っていたら、作曲した菅野よう子さんは、ゲーム音楽の第一人者でした。「信長の野望」「大航海時代」など人気シリーズの音楽を担当していました。

 

ぜひ一度聞いてみてください。「くどい」と思う竜宮小僧のイメージも和らぐかもしれません。もちろん「おんな城主 直虎」の劇中でも流れていますよ。泣けるシーンにかかることが多いですね。

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“くどい”くらい竜宮小僧が出てくる理由

 

大河ドラマ「おんな城主 直虎」の「竜宮小僧がくどい」件について書いてきました。内容を3行でまとめます。

 

【3行まとめ】

  • 竜宮小僧は”くどい”くらい出てくる
  • 竜宮小僧は優しすぎる妖怪だった
  • 「竜宮小僧のうた」は泣ける

 

最後に私の感想を書こうと思います。先に書いたように、大河ドラマ「おんな城主 直虎」では「竜宮小僧」がくどいくらいに出てきます。その理由は、「竜宮小僧」が「おんな城主 直虎」の最大のテーマだから。主人公の井伊直虎の人生を見ていくとわかります。

 

井伊直虎の行動の指針は「井伊谷のために」。これに尽きます。「井伊谷のために」直親と許嫁の約束をします。「井伊谷のために」直親との結婚をあきらめます。さらに「井伊谷のために」家督を継いでその身を尽くします。これは大河ドラマの物語の中だけでなく、史実も同じ。

 

その人生の行動の指針は、全て「井伊谷のため」。自分が幸せがどうかは考えません。井伊家の当主の娘として生まれた井伊直虎。身分的にそういう運命に身を置かざるを得なかったのかもしれません。

 

自分の思い通りにはいかない人生。「自分は竜宮小僧だ」と言い聞かせることで、自分を納得させていたのかもしれません。深読みかもしれませんが、私はそう思いました。そう考えてきくと、「竜宮小僧のうた」が違う意味で泣ける曲になってきます。

 

これからも大河ドラマ「おんな城主 直虎」の中で「竜宮小僧」という言葉は何度も登場します。”くどい”かもしれませんが、視点を変えると切ないワードになってきます。

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