大河ドラマ「おんな城主 直虎」の中に疑問に思うことがあります。それは直親(三浦春馬)が政次(高橋一生)のことを「たじま」と呼ぶこと。今回は「たじまとは?」について詳しく紹介していこうと思います。

 

調べる中で直親が「たじま」と呼ぶ時と、「まさつぐ」と呼ぶときの違いが分かりました。名前の呼び方でその場の状況が想像できるのは興味深いです。

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「おんな城主 直虎」但馬(たじま)とは?

 

大河ドラマ「おんな城主 直虎」を見ていて、不思議に思うことがあります。井伊直親(三浦春馬)が、小野政次(高橋一生)のことを「たじま」と呼ぶことがあります。なぜ政次ではなく、”たじま”と呼ぶのか。そもそも”たじま”とは何なのか?

 

「たじまとは?」について色々気になってドラマに集中できません。いや、集中できないというほどでもないですが、気になります。ということで、今回は「たじまとは?」について詳しく調べてみました。直親が政次のことを「たじま」と呼んだり、「政次」と呼んだりと、呼び分ける必要がある理由も判明しました。

 

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但馬 たじまとは?

大河ドラマ「おんな城主 直虎」で、高橋一生さんが演じているのは小野家の嫡男・政次。「おんな城主 直虎」公式サイトでその名称を確認してみると、「小野但馬守政次(おのたじまのかみまさつぐ)」。めちゃくちゃ長いですよね。これを切ってみると分かりやすくなります。

 

小野(おの)
但馬守(たじまのかみ)
政次(まさつぐ)

 

小野は名字。政次は名前。一番気になるのは真ん中の但馬守(たじまのかみ)という部分。まずは、「たじまとは」何なのかについて詳しく紹介。たじまとは、但馬国(たじまのくに)のことを指します。但馬国とは、山陰道に属する国のこと。今でいう兵庫県北部のあたり。「但馬とは」について詳しくまとめてみました。

 

但馬国and但馬とは
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但馬国(たじまのくに)は、日本の地域行政区分のひとつ。山陰道に属している。古くからその名は定着している。古事記には「多遅麻国」と記載。

 

「おんな城主 直虎」の舞台は浜松。戦国時代は遠江国と呼ばれる地域です。一方、政次が名乗る但馬国は兵庫県。一見まったく関係なさそうですが、実は小野家と但馬国には深い関係がありました。次は、政次が但馬守(たじまのかみ)と名乗る理由について紹介します。

但馬守(たじまのかみ)と名乗る理由

小野政次(高橋一生)が、但馬守(たじまのかみ)と名乗る理由について詳しく紹介します。但馬については、先に紹介しました。今度は「守」についてサクッと紹介。

 

守(かみ)とは?
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地方を司る国司(行政官)の位の一つ。日本の古代から中世まで使われていた。位は4つあり、「守」「介」「掾」「目」。

 

今でいう地方自治体の長のようなものでしょうか。県知事、市長、町長などなど。守をはじめとする国司は、日本の中央から派遣されます。地方をコントロールするための制度みたいですね。

 

つまり但馬守(たじまのかみ)とは、但馬国の市長という意味。ここで疑問に残るのが、なぜ遠江国(浜松)にいる小野政次が但馬国(兵庫)の市長を名乗るのかということ。それは、小野家の祖先が深く関係しています。

 

小野家の祖先は小野妹子。京都の貴族につながる大人物です。遣唐使として有名ですよね。小野家の系譜は由緒正しいお家柄のようですね。諸説あるようですが、かつて小野家は但馬国の国司をつとめていたそうです。そのつながりで、政次が但馬国守と名乗っていると考えられます。

戦国武将の「○○守」とは?

ちなみに戦国時代には、○○守とつける人物がかなり多い。これ実は正式に任命されているわけではなく、自分で勝手につけている場合がほとんど。政次の但馬守というのも自分で名乗っているにすぎません。現代に置き換えると「自称・市長」といったところでしょうか。変な感じがしますが、当時はそれが当たり前だったようですね。

 

戦国武将が○○守と名乗る理由をざっくりいうと、「見栄」や「箔」をつけるため。戦国時代において、自分を大きく見せることは武士の命題ですからね。「おんな城主 直虎」において、○○守と名乗っているのは政次だけではありません。他の登場人物も結構勝手に名乗っています。

 

「おんな城主 直虎」で○○守と名乗っている人物たち
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■井伊直親(三浦春馬)
肥後守(ひごのかみ)

 

■井伊直平(前田吟)
信濃守(しなのかみ)

 

■井伊直盛
信濃守(しなのかみ)

 

■小野政直
和泉守(いずみのかみ)

 

■織田信長
上総守(かずさのかみ)

直親が「たじま」と呼ぶ理由とは?

大河「おんな城主 直虎」の中で、幼馴染の直親(三浦春馬)と政次(高橋一生)。直親が政次を呼ぶときに「たじま」と呼んだり、「まさつぐ」と呼んだりしています。呼び分ける場面を想像するとその理由が見えてきます。

 

何か仰々しいときには、「たじま」と呼んでいる感じしますよね。検地の時や、皆が集まっている場所では「たじま」と呼んでいることのほうが多い。一方で、二人きりの時は「まさつぐ」や「つる」と呼ぶことが多いですね。

 

たじまとは、いわば役職名です。会社でいったら部長とか係長とか。だから仕事の場では役職名で呼ぶことが多い。一方でプライベートな空間では名前で呼ぶ。名前の呼び方でその場が、どういう場面なのか分かります。

 

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但馬と奥山の関係

「たじまとは?」という疑問が晴れたところで、小野と奥山の関係について紹介していこうと思います。この両者は昔からの因縁の関係となっています。

 

小野家とは?
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小野家は、政次の父・政直は公家につながる名門の出ともいわれていますが、今川家との関係を重視する政策で井伊家中では反感を買っていました。政直亡き後、井伊家筆頭家老となった政次が父と同じ立場に立つのか。周囲もうかがっているようです。引用:http://www.nhk.or.jp/naotora/special/pickup08/

奥山家とは?
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奥山家は井伊谷から北西方面の奥山地区を拠点としていました。井伊家重臣の奥山朝利の娘・しのが井伊直親の妻となり、次女・なつも小野政次の弟・玄蕃と結婚。両家のほか、奥山家は近隣の領主とも縁戚関係を結び、いっそう力をつけていきます。引用:http://www.nhk.or.jp/naotora/special/pickup08/

 

井伊家の重臣である奥山家。そして井伊家の筆頭家老でありながら、今川よりの政策を進言する小野家。奥山と但馬は犬猿の仲といえるでしょうね。そんな関係を修復するために、井伊直盛は奥山の娘・なつ(山口紗弥加)を但馬の弟・玄蕃(井上芳雄)のもとに嫁がせます。

 

しかしそんな中、但馬(高橋一生)は奥山朝利(でんでん)を斬ってしまいます。たじまと奥山の関係はさらに悪化していってしまいます。

但馬の一生

但馬(高橋一生)の一生をザッと紹介します。「おんな城主 直虎」において最大の悲劇をもたらすのが、但馬といっていいでしょうね。但馬の一生は悲劇に包まれています。

 

但馬の一生とは?
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  • 但馬の父・政直(吹越満)が、讒言により直満(宇梶剛士)を処刑する
  • 但馬が小野家の家督を継ぐ
  • 但馬が奥山朝利(でんでん)を殺害する
  • 但馬は直親(三浦春馬)を讒言により処刑する
  • 但馬は直虎(柴咲コウ)を裏切り、井伊谷をのっとる
  • 但馬は直虎の進言により処刑される

※讒言とは・・・事実を曲げたり、偽の出来事をでっちあげ、その人の目上の人に悪くいうこと。

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まとめ

大河ドラマ「おんな城主 直虎」の「たじまとは?」について紹介してきました。内容を3行でまとめます。

 

【3行まとめ】

  • たじまとは、但馬国のことを指す
  • 但馬守とは、政次が箔をつけるために勝手に名乗る役職名
  • 但馬と奥山は因縁の関係

 

最後に私の感想を書きます。「おんな城主 直虎」に限らず、大河ドラマでは難しい単語が数々出てきます。説明がある場合はいいですが、なんの説明もないと気になって話が頭に入らないですよね。今回「たじまとは」について調べてみて、思うことは「歴史は面白い」ということ。

 

「たじまとは?」について調べていたはずなのに、いつの間にか小野妹子の情報にたどり着いたり、当時の武士の心情も分かってくる。高校の授業では、あまり「面白い」と感じなかった歴史ですが、自分で調べてみると意外にも面白いことが分かりました。

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