朝ドラは実話を基に制作されるケースが少なくありません。「ゲゲゲの女房」では、漫画家・水木しげるさんと奥さんの半生。「花子とアン」では「赤毛のアン」の翻訳者の半生が描かれます。「ひよっこ」の次の朝ドラ「わろてんか」では吉本興業の創設者の半生が描かれます。実話をベースにしているから描写はリアルで細かい

 

気になるのは、朝ドラ「ひよっこ」は実話を基にしているかどうか。モデルとなった人物や、1964年に起こった主な出来事、ヒット商品などを紹介してみようと思います。

 

朝ドラ「ひよっこ」は実話?

 

2017年4月からスタートする朝ドラ「ひよっこ」。1964年の茨城と東京が舞台です。東京オリンピックが行われた年。茨城の農家の少女が、父を探して東京に行くという物語です。ヒロインは集団就職で東京に出向きます。当時「金の卵」と呼ばれる若者たちが、地方から続々と東京に集まっていました。

 

そんな時代を描く朝ドラ「ひよっこ」。実話を基にされているのでしょうか。また原作などはあるのでしょうか。すごく気になる部分ですよね。朝ドラでは、実在の人物、実話をモデルにされることが多い。朝ドラ「ひよっこ」はどうなのでしょうか。

 

朝ドラ「ひよっこ」あらすじ
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1964(昭和39)年秋。東京オリンピックが目前に迫っていたが、谷田部みね子(17)は今ひとつ実感が湧かない。みね子は、茨城県の北西部にある山あいの村・奥茨城村(※)で育った。交通の便が悪いため、同じ関東なのに東京は遠い世界のように思える。みね子の家は6人家族。不作の年に作った借金を返すために、父は東京に出稼ぎに行っている。高校を卒業したら、農家の仕事を手伝って祖父と母に楽させてあげたい…。そう思っていたみね子の人生は、お正月に父が帰ってこなかったことで一変する。
引用:http://www.nhk.or.jp/hiyokko/about/

 

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朝ドラ 実話ベースが多い

朝ドラは、実話を基に制作されることがあります。実在の人物を基に、実話ベースで描かれる。そのモデルは多岐にわたります。実業家、編集者、漫画家などなど。実話を基にしているから描写がリアルだし、人によっては「懐かしい」と感じる部分もあると思います。

 

実話を基にした朝ドラを紹介しておさらいしてみようと思います。

実話朝ドラ①「ゲゲゲの女房」

最初に紹介する実話ベースの朝ドラは、2010年放送の朝ドラ「ゲゲゲの女房」。松下奈緒さんがヒロイン。相手役のキャストは向井理さんでした。ご存知の通り、漫画家・水木しげるさんと奥さんの半生を描きます。

 

水木しげるさんの奥さん・武良布枝の同名エッセイが原作になっています。もちろん水木しげるさんも武良布枝さんも実在する人物。多少脚色はされているようですが、基本は実話を基にしています。

実話朝ドラ②「カーネーション」

次に紹介する実話ベースの朝ドラは、2011年放送の朝ドラ「カーネーション」。尾野真千子さんがヒロインをつとめていました。ファッションデザイナー・小篠綾子さんをモデルにしています。実話を基にしながら、フィクションも混ぜていく制作スタイル。

実話朝ドラ③「花子とアン」

次に紹介する実話ベースの朝ドラは、2014年放送の朝ドラ「花子とアン」。吉高由里子さんがヒロインの花子を演じました。「赤毛のアン」の翻訳者・村岡花子さんの半生に基づいた実話ベースのフィクション。

実話朝ドラ④「マッサン」

次に紹介する実話ベースの朝ドラは、2014年放送の朝ドラ「マッサン」。玉山鉄二さん主演。ヒロインはシャーロット・ケイト・フォックス。朝ドラ初の外国人ヒロインとして話題になりました。

ニッカウヰスキーの創業者・竹鶴政孝。妻・リタの半生を基に制作されています。登場人物の名前や団体名などは改名していますが、実話ベースの朝ドラです。

実話朝ドラ⑥「あさが来た」

次に紹介する実話ベースの朝ドラは、2015年に放送された朝ドラ「あさが来た」。波瑠さんがヒロインを演じました。ヒロインのモデルとなったのは女性実業家の広岡浅子さん。女性起業家のパイオニアとして知られる広岡浅子さんの半生を基に描かれています。

実話朝ドラ⑦「とと姉ちゃん」

次に紹介する実話ベースの朝ドラは、2016年に放送された朝ドラ「とと姉ちゃん」。高畑充希さんがヒロインを演じました。雑誌「暮しの手帖」を立ち上げた大橋鎭子の半生を描いています。

実話朝ドラ⑦「とと姉ちゃん」

次に紹介する実話ベースの朝ドラは、2017年放送予定の朝ドラ「わろてんか」。「ひよっこ」の次の朝ドラですね。ヒロインは葵わかなさん。モデルとなったのは、吉本興業の創業者・藤岡てん。これも実話ベースの朝ドラです。

実話を基にした朝ドラを改めて調べてみると、そこまで多くない印象。最近の朝ドラを見てみると、オリジナル脚本と半分半分くらいの割合ですね。

 

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朝ドラ「ひよっこ」のモデルは?

 

有村架純さん主演の朝ドラ「ひよっこ」。岡田惠和さんの完全オリジナル脚本です。実話を基にしたものではありません。ヒロインのみね子は実在の人物ではありません。実話を基にしたものではありませんが、時代背景などは緻密に描かれています。

 

ヒロインのみね子は、「集団就職」で東京に就職。「金の卵」と呼ばれる若者の一人です。実在のモデルはいませんが、実際に同じ境遇の人たちは多くいたはず。そういう意味では”実話”といえるかもしれません。

 

朝ドラ「ひよっこ」の脚本家・岡田惠和さんが作品に込めた思い。そして、描かれる1964年という時代について詳しく紹介していこうと思います。

脚本家「ひよっこだった時代を生きる」

朝ドラ「ひよっこ」の脚本を担当するのは、「ちゅらさん」「おひさま」でおなじみの岡田惠和さん。朝ドラ「ひよっこ」を制作するにあたって、ある特別な思いを抱いていたそうです。ある意味で「ひよっこ」モデルともいえそうです。本人コメントで紹介してみます。

 

自分が幼少期を生きた時代を描くということ。描かれるのは東京オリンピックの年からの数年間です。新しい日本がスタートして、まだ「ひよっこ」だった時代を懸命に生きた人の人生を観ることで、今を生きるためのヒントになれたら
引用:http://www.oricon.co.jp/news/2074230/full/

 

朝ドラ「ひよっこ」は実話を基にしていません。ヒロインのみね子も架空の人物。でもどこにいても不思議ではない人物です。特定の人物をモデルにしないことで、より多くの人の共感を呼ぶ狙いがあるのかもしれませんね。

1964年ってどんな時代?

朝ドラ「ひよっこ」は1964年を描きます。「ひよっこだった時代」とは、一体どんな時代だったのか、主な出来事をまとめてみました。実話を基にした物語ではありませんが、実在の出来事は物語にも影響を及ぼすはず。

 

1964年のヒット商品・新商品を見ると時代を感じてしまいます。驚きなのが、今でも生き残っている商品もいくつかあること。お菓子は息が長いんですね。

 

1964年 どんな時代?
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■主な出来事

  • 東京オリンピック
  • 東海道新幹線開通
  • 東京モノレール開業
  • 王貞治55号ホームラン日本記録
  • 海外旅行自由化
  • 日本武道館開館
  • ノースリーブ流行
  • タートルネックの流行

■ヒット商品・新商品

  • 家庭用ビデオテープレコーダ
  • テープレコーダー
  • 電子式卓上計算機
  • ガーナチョコレート
  • 鉄人28号キャラメル
  • かっぱえびせん
  • ワンカップ大関

■流行語

  • カギッ子
  • カラ出張
  • 東京さばく
  • シェー
  • みゆき族

■ヒット曲

  • 明日があるさ
    坂本九
  • 君だけを
    西郷輝彦
  • 幸せなら手をたたこう
    坂本九
  • 恋の山手線
    小林旭

参照:http://nendai-ryuukou.com/1960/1964.htmlより抜粋

集団就職とは?金の卵とは?

朝ドラ「ひよっこ」のあらすじを見ると、必ず出てくる言葉が二つあります。「集団就職」「金の卵」。今ではあまり使わない言葉ですよね。この二つの言葉は、ヒロイン・みね子が生きた時代を象徴する大切な言葉です。それぞれ説明しますね。

 

集団就職
日本の高度経済成長期に盛んに行われた雇用形態。地方の中学・高校卒業者を対象とし、大都市の企業や店舗などへ集団で就職することを指す。大量生産・大量消費の時代に突入した時代。製造業・小売業・飲食業など労働力を必要としていたことが背景としてある。

 

金の卵
1964年に流行した言葉の一つ。時代を象徴する言葉でもある。広くは、高度経済成長を支えた若い労働者のことを指す。中学卒業後すぐに仕事に従事する労働者も多くでた時代。「金の卵」のほかに「ダイヤモンド」「月の石」などという呼ばれ方もする場合もある。言葉の響きは良いが、「低賃金」「長時間労働」を強いられる過酷な労働環境も多くあったという。

 

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まとめ

朝ドラ「ひよっこ」は”実話なのか”について紹介してきました。内容を3行でまとめます。

 

3行まとめ
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  • 実話を基にした朝ドラは多い
  • 朝ドラ「ひよっこ」は実話ではない
  • 実話ではないが、時代背景は緻密に描かれる

 

最後に私の感想を書こうと思います。朝ドラ「ひよっこ」は実話ではありません。ヒロインのみね子も普通の女の子です。漫画家の奥さんでもなければ、雑誌を創刊したりもしません。どこにでもいる普通の女の子。私は、その”普通”が「ひよっこ」の一番の肝だと思っています。

 

「ひよっこ」の舞台は1964年の日本。東京オリンピックが開催され、日本中がオリンピック一色に染まる年です。しかしヒロインのみね子には全く関係のない話。華やかな時代の裏で一生懸命に生きる人たちがいました。みね子もその一人。朝ドラ「ひよっこ」に特定のモデルはいません。ストーリーだって実話ではなく、完全にフィクション。

 

朝ドラ「ひよっこ」は、華やかな時代に生きた”普通”の人たちを描いています。脚本家・岡田惠和さんの言葉を借りると、「新しい日本がスタートして、まだ「ひよっこ」だった時代を懸命に生きた人の人生」。朝ドラ「ひよっこ」のヒロインは、”普通の人”で実話ではない架空の人物。だからこそ誰にでも共感できる内容なのだと思います。

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