大河ドラマ「おんな城主 直虎」の物語の中で出てくる”徳政令”。今回はこの徳政令について詳しく紹介していこうと思います。「徳政令とは何か?」という基本的な部分から「徳政令は何年に発動?」「直虎が徳政令を出すとどうなる?」「”徳政令の行方”の元ネタは?」などなどの疑問を一気に解消していってください。

 

特に注目してほしいのは、「徳政令を出すと井伊家はどうなる?」という部分。実はこれがかなり重要。「何年に発動?」という疑問にもつながってきます。

 

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「おんな城主 直虎」に出てきた”徳政令”とは何か?

 

大河ドラマ「おんな城主 直虎」の物語の中に出てくる言葉「徳政令」。物語に深く関わる言葉ですが、「徳政令とは何か」と疑問に思う人も多いようです。歴史の教科書にも載っている言葉ですが、何かと言われれば言葉に詰まってしまいます。

 

徳政令は、「おんな城主 直虎」の物語の中で重要な役割を持つ言葉。そんな徳政令について詳しく紹介していきます。まずは徳政令とは何かを簡単にわかりやすく説明したいと思います。

 

徳政令とは何か
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徳政令とは、「借金を返さなくてもいいよ」という法令のこと。徳政令を出すと借金が帳消しになる。

 

徳政令とは、鎌倉時代から使われるようになった言葉。農民や町民が金融業者に借りていた借金を帳消しにする法令のことです。なんだか大盤振る舞いですが、借金苦で農民たちに一揆をおこされても困るそこで出されるのが徳政令なんです。

武田家も徳世令を出していた

戦国時代でも徳政令が出された例はあります。徳政令を出したのは、甲斐国を治めていた武田信虎。武田信玄の父親です。信虎は甲斐国一帯を対象とした徳政令を出しています。

 

大河ドラマ「おんな城主 直虎」で農民たちが徳政令の存在を知っていたのは、この信虎の徳政令の例があったからかもしれませんね。「おんな城主 直虎」では、この徳政令をめぐって井伊直虎が奔走することになります。

 

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「おんな城主 直虎」徳政令を出すとどうなる?

 

大河ドラマ「おんな城主 直虎」の中で、印象的なシーンがあります。徳政令の重要性が分かると思います。

 

“徳政令”の重要性が分かるシーン
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■村人
「ご領主様!お願いにございます なにとぞ徳政令をお願いいたします」

 

■井伊直虎(柴咲コウ)
「徳政令?」

 

■中野直之(矢本悠馬)
「銭主に借金を棒引きするようにとのお沙汰でございます」

 

■井伊直虎(柴咲コウ)
「分かった すぐに手配をする」

 

■中野直之(矢本悠馬)
「!!!!」

■村人
「!!!!」

直虎が村人たちの願い入れを受け、徳政令を手配すると約束した場面です。「徳政令とは何か」についてちゃんと理解できていなかった直虎は、「徳政令を出すと」約束してしまいます。

 

これに、直虎の臣下・中野直之(矢本悠馬)はドン引き。案の定このあと井伊家は混乱することになります。何気ないシーンに見えて、結構重要なシーンです。

農民が徳政令を願い出たいきさつ

この時期井伊谷では戦が絶えませんでした。農民も戦に駆り出されていたのでした。男手を失った井伊谷の農民たちは、手が足りず新しく土地を耕すことができません。その結果、田畑は荒れていきます。

 

生活に困窮した農民たちは、商人から借金をするしか生き残る術はありませんでした。返すあてのない借金はどんどん膨らんでいきます。自分の田んぼや畑を担保にどんどんかさむ借金。

 

そういう状況で頼ったのは、領主である井伊直虎。農民たちが助かるには徳政令しかなかった。ここで上で紹介したシーンになるワケですね。

徳政令を出すと、なぜ井伊家はつぶれる

直虎が簡単に出すといった徳政令。この徳政令を出してしまうと、井伊家はつぶれてしまいます。徳政令を出すとなぜ井伊家がつぶれてしまうのか。その理由について紹介しようと思います。

 

実は、井伊家も銭主に借金をしています。銭主の経済力あってこそ家が成り立っていたのですね。徳政令を出すと、農民が銭主にしている借金は帳消しになります。しかし、同時に銭主の力も低下してしまいます。これは井伊家にも打撃を与えます。

 

徳政令を出して銭主がつぶれてしまうと、銭主に頼っていた井伊家も立ち行かなくなります。つぶれる可能性が出てくるのです。しかし徳政令を出さないと農民たちが一揆をおこす可能性が高い。

 

井伊直虎は、この二つの間で悩むことになります。そんな中井伊直虎が出した結論とは?後の世まで直虎の名前が轟くことになるのは、この徳政令をめぐる手腕が評価されているからです。直虎が徳政令が出したのは何年か?これがヒントになります。

 

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「おんな城主 直虎」徳政令は何年に発動する?

 

「おんな城主 直虎」の中で、直虎が農民に出すと約束した徳政令。しかし井伊家の内情を知った直虎は一転、徳政令は出せないといいます。徳政令を出すと井伊家がつぶれてしまうから。

 

意気消沈した農民たちは、直虎に頼ることをやめ今川に頼ることにします。井伊家の上の立場の今川に徳政令を頼むことによって、徳政令を願ったのです。このことにより直虎は窮地に立たされることになります。

 

ちなみに農民に今川家に徳政令を訴えるように扇動したのは、小野政次だという説もあるようです。井伊家を乗っ取りたい政次にとって、徳政令はかっこうの材料だったようですね。

 

農民からの訴えを受けた今川氏真は、直虎に対して徳政令の発動を命令します。この今川家が命令したのは1566年。実際に徳政令が発動されたのは何年なのか

直虎が徳政令を発動したのは何年?

今川から徳政令の発動を命令された直虎。しかし徳政令を出せば井伊家はつぶれてしまう。そこで直虎が出した結論とは「徳政令の発動を遅らせる」。結論を言うと、直虎は徳政令を発動させます。しかし徳政令が発動したのは、今川から命令を受けた2年後。1568年。

 

今川から徳政令の命令を受けた直虎は、井伊家をつぶさないために銭主の保護を優先します。しかし普通に「徳政令出しません」と今川に言うと、全面戦争になりかねません。

 

直虎は「銭主の説得に時間がかかる」という理由で、徳政令の発動まで時間を稼ぎます。その間に徳政令が出ても大丈夫なように準備を進めます。ちなみに井伊家の菩提寺である龍潭寺も担保に入っていたそうで、徳政令を遅らせることでなんとか守れたようですね。

 

「何年になったら徳政令発動させるんだ」と堪忍袋の緒が切れた今川氏真は、井伊谷に家臣を派遣します。そこで、半ば強制的に直虎に徳政令を出す書類にサインさせます。この直虎のサインは、浜松市にある蜂前神社今でも保管されています。直虎の数少ない史料の一つです。、

 

「直虎が徳政令を出したのは何年か」この疑問は、井伊直虎の政治力を知るうえでは重要な疑問です。

「徳政令の行方」元ネタは?

大河ドラマ「おんな城主 直虎」では毎回サブタイトルがつけられています。「城主はつらいよ」「亀之丞帰る」みたいなタイトルのことです。このサブタイトルには元ネタがあります。映画や小説のタイトルだったりします。

 

気になるのは第14回「徳政令の行方」の元ネタ。どんな元ネタが使われているのでしょうか。他のサブタイトルの元ネタと一緒に紹介していきます。

 

サブタイトルの元ネタまとめ
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  • 「おとわ危機一髪」
    元ネタ→映画「007危機一髪」
  • 「初恋の別れ道」
    元ネタ→映画「初恋のきた道」
  • 「検地がやってきた」
    元ネタ→映画「ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!」
  • 「走れ竜宮小僧」
    元ネタ→小説「走れメロス」
  • 「城主はつらいよ」
    元ネタ→映画「男はつらいよ」
  • 「徳政令の行方」
    元ネタ→映画「告発の行方」

 

「徳政令の行方」の元ネタは、ジョディ・フォスター主演映画「告発の行方」のようです。1988年のアメリカ映画ですね。ジョディフォスターはこの映画で第61回アカデミー主演女優賞を受賞しました。

 

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【おまけ】「徳政令の行方」登場する漫才師は?

大河ドラマ「おんな城主 直虎」の徳政令について紹介してきました。内容を3行でまとめてみようと思います。

 

3行まとめ
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  • 徳政令を出すと井伊家はつぶれる
  • 徳政令を出すのは何年?1568年。
  • 「徳政令の行方」の元ネタはジョディ・フォスター主演映画

 

最後におまけ的に第14回「徳政令の行方」で登場する漫才師を紹介します。次回予告で思いっきり出ていましたね。ネットでは「あの漫才師はww」と話題になっていました。ご存知の方も多いと思います。登場した漫才師は、お笑いコンビTKO。

 

TKOの木下隆行さんと、木本武宏さん。徳政令の噂を聞いてきた別の村の住人のようですね。二人の出演は「おんな城主 直虎」の放送前から話題になっていましたね。

 

福蔵(木下隆行)
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瀬戸村の隣にある、祝田(ほうだ)村の百姓。

瀬戸村が、じかに直虎に徳政令を訴え出て認められたとのうわさを聞きつけ、わが村も、と福蔵・富介2人が連れだって訴えに来る。

引用:http://www.nhk.or.jp/naotora/cast/detail/fukuzou.html

富介(木本武宏)
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瀬戸村の隣にある、祝田(ほうだ)村の百姓。

瀬戸村が、じかに直虎に徳政令を訴え出て認められたとのうわさを聞きつけ、わが村も、と福蔵・富介2人が連れだって訴えに来る。

引用:http://www.nhk.or.jp/naotora/cast/detail/tomisuke.html

 

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