有村架純さん主演の朝ドラ「ひよっこ」。そのあらすじが「面白い」と絶賛されています。一体何が面白いのか。その理由は三つありました。最大の理由は「主人公の夢は叶わない」。なぜそこが「面白い」と感じるのか。実は、ここは、歴代の人気朝ドラに共通している要素でした。
朝ドラを面白くさせるための大きな理由「主人公の夢は叶わない」。「ひよっこ」のあらすじと一緒に紹介していこうと思います。
来年春から放送になりますNHKの連続テレビ小説「ひよっこ」のヒロインをやらさせていただく事が決定しました。
珍しくすごく緊張していた会見でした!笑 pic.twitter.com/YL81idgyyz
— 有村架純’s staff (@Kasumistaff) 2016年6月30日
有村架純さん主演の朝ドラ「ひよっこ」。そのあらすじが「面白い!」と話題になっています。その面白いと話題のあらすじについて詳しく紹介していこうと思います。ただ紹介してもつまらないので、過去の人気朝ドラのあらすじと比較してみました。
視聴率が良く「面白い」と定評のある朝ドラのあらすじには、ある三つの共通点がありました。そしてその共通点がそのまま「面白い」につながっているようです。その中でも最大の共通点は「主人公の夢は叶わない」という部分・・・。
来週から朝ドラみよ。
『べっぴんさん』に次いで『ひよっこ』も面白そうだから1年間見なければいけない。— とーてむぽーる吉田凌 (@ttm_yoshida) 2016年9月26日
東京五輪から始まるのが面白そう!
ちゅらさんの岡田恵和だし見たい来春の朝ドラは「ひよっこ」 ヒロインに有村架純さん 茨城が舞台 https://t.co/HyJgoc7CGV
— 瓜?? (@kakitsubatad) 2016年6月29日
ちなみに、朝ドラ「ひよっこ」の主演・有村架純さんも脚本を読んで「面白い」と絶賛しています。
ヒロイン・有村架純コメント
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家族っていいな。友達っていいな。ふるさとっていいな。と、“なんかいいな”がたくさん詰まった作品です。1日の始まりにぴったりな、とっても優しいドラマだと思います。
引用:https://www.nhk.or.jp/hiyokko/special/interview01/
21世紀に放送された朝ドラを視聴率順に並べてみました。各朝ドラのあらすじも記載しています。果たして21世紀の朝ドラのあらすじで一番面白いのは、どの朝ドラでしょうか。「面白いあらすじ」と「高視聴率」には、ある関係性があるようでした。
21世紀の朝ドラ視聴率第10位は、2013年度上半期に放送された「あまちゃん」。主人公は能年玲奈(改名後・のん)。宮藤官九郎脚本作品ということで話題を集めました。「あまちゃん」放送終了後は、あまちゃんの放送がないことを悲しんだファンが続出。”あまロス”という新しい言葉まで生まれました。
天真爛漫な女子高生アキが、岩手で海女を志すことになる。そこでアキは北三陸の美少女・足立ユイと出会うことになる。ユイはアイドルになって東京で活躍することを夢見ていた。海女になりたいアキ。アイドルになりたいユイ。二人の進路は思わぬ方向に進んでいく。
21世紀の朝ドラ視聴率同率第10位は、堀北真希さん主演の「梅ちゃん先生」。「梅ちゃん先生」は2012年度の上半期に放送されました。ヒロインの堀北真希はオーディションではなく、オファーという形で抜擢されました。
なんとか大学病院に就職できた梅子だったが、本当に大変なのはそこからだった・・・。医者としの苦悩・恋愛・結婚・出産。父親との対立。頼りない一人の女学生が町になくてはならない医者へと成長を遂げていく。
21世紀の朝ドラ視聴率同率第10位は、2002年に放送された朝ドラ「まんてん」。ヒロインは宮地真緒さん。当時グラビアアイドルだった宮地真緒さんの抜擢が話題になりました。あらすじだけ見るとかなり突飛な感じ。その展開の早さも評価につながったようです。
21世紀の朝ドラ視聴率第9位は、2014年に放送された「マッサン」。主人公は玉山鉄二さん。ヒロインにはシャーロット・ケイト・フォックスを起用。朝ドラ史上初となる外国人ヒロインの起用となりました。あらすじを一言でまとめると、「ウイスキー造りを目指す二人」です。
21世紀の朝ドラ視聴率第8位は、2003年に放送された「こころ」。ヒロインは、中越典子さん。物語の舞台となった新潟県山古志村は、放送翌年に起きた新潟県中越地震の被災地としても知られています。「こころ」では、山古志村の伝統行事や産業などにもライトがあたっています。
21世紀の朝ドラ視聴率第7位は、2001年に放送された「ちゅらさん」。ヒロインは国仲涼子さん。「ちゅらさん」は視聴者から絶大な人気を獲得。放送終了後もシリーズ化されるほどの人気作となりました。ちなみに「ちゅらさん」の脚本を担当したのは、朝ドラ「ひよっこ」の脚本家・岡田惠和さん。
21世紀の朝ドラ視聴率第6位は、2013年に放送された「ごちそうさん」。ヒロインは杏さん。「ごちそうさん」の脚本家・森下佳子さんは、現在放送中の大河ドラマ「おんな城主 直虎」の脚本家でもあります。
21世紀の朝ドラ視聴率同率第4位は、2014年に放送された「花子とアン」。ヒロインは吉高由里子さんがつとめました。最終回までの期間平均視聴率が22.6%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)を超える大ヒット作となりました。
物語は「赤毛のアン」の翻訳者・村岡花子の半生をつづる。
21世紀の朝ドラ視聴率同率第4位は、2002年に放送された「ほんまもん」。ヒロインは池脇千鶴さん。食をテーマに奮闘する一人の少女の成長譚を描く。
21世紀の朝ドラ視聴率第3位は、2016年に放送された「とと姉ちゃん」。ヒロインは高畑充希さん。責任感が強く、無鉄砲なヒロインを演じました。ちなみに口癖は「どうしたもんじゃろのぉ」。
21世紀の朝ドラ視聴率第2位は、2002年に放送された「さくら」。ヒロインは高野志穂さん。ヒロインオーディション2512人の中から選ばれました。朝ドラには珍しい設定。あらすじで興味を持った視聴者も多かったようです。
21世紀の朝ドラ視聴率第1位は、2015年に放送された「あさが来た」。ヒロインは波留さん。視聴率は平均23.5%を記録。今世紀最大の視聴率を記録しています(2017年3月時点)。また、主人公あさの口癖「びっくりぽん」は巷で使われるほど流行しました。
21世紀の歴代人気朝ドラのあらすじを紹介してきました。様々な物語がありましたね。原案があるもの、実在の人物をモデルとしたもの、完全オリジナル脚本などなど。その多種多様なあらすじの中には、3つの共通点があるようでした。抜き出してみます。
全てのあらすじに含まれている共通点ではありません。しかし多くの人気朝ドラに共通している部分です。これらのあらすじの共通点は、朝ドラ「ひよっこ」にも共通しています。そんな「ひよっこ」のあらすじを紹介していきます。
2月22日、映画『3月のライオン【前編】』完成披露試写会に、有村架純が登壇しました! 映画『3月のライオン【前編】』は、3月18日(土)全国ロードショー予定! https://t.co/E1c4g0ieFvでは、近日中に、こちらの試写会の様子をお届けします! お楽しみに! pic.twitter.com/jANNLT0Zf6
— フラームジェクト (@FLaMme_ject) 2017年2月22日
まずは、朝ドラ「ひよっこ」のあらすじを紹介します。
朝ドラ「ひよっこ」あらすじ
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1964(昭和39)年秋。東京オリンピックが目前に迫っていたが、谷田部みね子(17)は今ひとつ実感が湧かない。みね子は、茨城県の北西部にある山あいの村・奥茨城村(※)で育った。
交通の便が悪いため、同じ関東なのに東京は遠い世界のように思える。みね子の家は6人家族。不作の年に作った借金を返すために、父は東京に出稼ぎに行っている。高校を卒業したら、農家の仕事を手伝って祖父と母に楽させてあげたい…。そう思っていたみね子の人生は、お正月に父が帰ってこなかったことで一変する。
「お父さんの分も働いて仕送りします。東京に行かせてください」東京に行けば、いつかきっと父に会える気がしたのだ。2人の幼なじみと一緒に集団就職で上京したみね子は、墨田区の工場で働き始める。初めて見る東京は、想像をはるかに超えた大都会で戸惑うことばかり。
低賃金に長時間労働。“金の卵(※)”を待ち受けていた現実に時々くじけそうになるが、東北各地から上京してきた寮の仲間たちや舎監さんが心の支えとなっていく。友人や仲間たちとの泣き笑いの日々の中で、みね子はさまざまな出会いと別れを経験しながら試練を乗り越え、見知らぬ町だった東京にしっかりと根を張っていく。
※奥茨城村…ドラマ上の架空の村
※金の卵…地方からの若年労働者。60年代“金の卵”の主役は、中卒から高卒になった。64年の流行語。
引用:https://www.nhk.or.jp/hiyokko/about/
「昭和を描いている」「新天地で苦労する女性」「主人公の最初の夢は叶わない」という三つの共通点が当てはまってますよね。これが朝ドラ「ひよっこ」が面白いと言われる理由のようです。なぜこの共通点が「面白い」につながるのか。三つの理由についてまとめていきますね。
朝ドラの視聴者は、年齢が高くなるほど多くなります。つまり「昭和を生きた人たち」が主な視聴者なワケです。そのため、昭和が舞台の方が視聴者の心に刺さります。そのため、昭和舞台という要素は”面白い”という評価につながるようです。
また、朝ドラの視聴者は女性の比率の方が高くなります。これは一般論ですが、一般的に女性は男性の家に嫁ぐ場合が多い。人生の中で”新天地”で暮らす女性は数多くいます。朝ドラの物語の中で”新天地”で頑張るヒロインの姿は自分と重ねやすいのではないでしょうか。
最後に説明する朝ドラのあらすじが面白い理由は、「ヒロインの”最初の”夢は叶わない」という部分。今回調べて一番強く思った部分です。歴代に人気朝ドラのあらすじを見ていくと、そのほとんどが最初に夢が叶っていません。
朝ドラ「ちゅらさん」のヒロイン・恵理は、文也くんと結婚するという夢は叶いません。朝ドラ「まんてん」のヒロイン・満天の鹿児島でバスガイドになるという夢も叶いません。ほかの朝ドラも夢とは言わないまでも、予定通りにいかないことがほとんど。ここに共感する視聴者が多くいます。
誰もが幼い頃に夢見ていたことがあるはず。「サッカー選手」「料理人」「お花屋さん」などなど。その夢をかなえた人もいるでしょう。でも、その夢破れた人の方が圧倒的に多いのではないでしょうか。「思い通りにいかない」そんな部分が共感を呼び、「面白い」という評価につながっているのかもしれません。
朝ドラ「ひよっこ」のあらすじが「面白い」と評価されている理由について書いてきました。内容を3行でまとめます。
朝ドラ「ひよっこ」のあらすじが「面白い」と評価される最大の理由は、「夢は叶わない」と書きました。しかしこれだけで終わらないのが朝ドラのいいところ。「夢が叶わない」で終わってしまえば、物語として全然面白くないですよね。叶わないのはあくまで最初に抱いていた夢です。
物語の中で人間として成長していくヒロイン。その中で新しい夢を描きます。そしてその夢に向かって進んで行きます。そのがんばる姿を見て、応援したくなるし、共感も抱きます。そんな物語を面白いと感じるのだと思います。
ちなみに21世紀の朝ドラに絞ったのは、全期間にしてしまうと1960年~1980年の朝ドラが圧倒的に視聴率が良いからです。その頃の朝ドラは見ていないので、あらすじも書きにくいと思ったからです。歴代朝ドラで視聴率第一位なのは1983年の「おしん」です。なんと52.6%だそうです。今後この視聴率が破られることはないでしょうね。